皆様こんにちは、クラブ・シェルシュール事務局の西川です。
前回のレポートでは、社長の苦労話が長くなって来そうだったのでカットしてしまいましたが、マニアックな化粧品制作の裏側を、本日はたっぷりお届けします!
前回:モイスチャーマトリックスUV改 試作品#4改善策検討会議:前編
アンケート詳細:【詳細】モイスチャーマトリックスUV改 試作品#4アンケート結果
紫外線散乱剤の分散性
入れ過ぎれば白い粘土のようになり、オイルがなければ塩入スクラブのようになり、扱いが難しい紫外線散乱剤。
しかし、紫外線吸収剤に比べてお肌への刺激が少ないので、敏感肌用のUVケア製品には欠かせません。
さらに今回頭を悩ませたのが、その、オイルの種類と量だったようです。
紫外線散乱剤を使った日焼け止めで重要なポイントは、その粒子をできるだけ均等に分散させることです。
粒子が偏って隙間ができてしまっては、そこから紫外線が入って来てしまいますから。
どんなオイルを、どれだけの量で配合するかによって、その分散の精度に違いが生まれ、同じ紫外線散乱剤を同じ量だけ入れても、SPFの値は変わって来ます。
また、左のような粒子がぐちゃぐちゃとした状態の場合、光が乱反射して「白浮き」の原因にもなります。
オイルによっては刺激になりやすいものもありますし、また、粘度や塗り心地にも影響してくるので、その絶妙で最高のバランスを求めて、毎回試してはボツ、試してはボツを繰り返しているんです。
また、今回も「良くなった」というお声と「悪くなった」というお声を両方頂いており、肌質や使用環境によっても評価が変わって来るという、難しい側面もあります。
使用感の良い日焼け止めなら、いくらでもドラッグストアで売っていますが「お肌への刺激を最小限に抑える」という絶対条件の中で、美しさや使い心地、UV効果が最大限になるものを極めて行きたいのです。
ちなみに・・・紫外線吸収剤も入っている理由
一般に、紫外線吸収剤はお肌への刺激になると言われていますが、カプセル型の吸収剤を使用して刺激を抑える工夫をしています。
さらに、吸収剤を併用することで、
→紫外線散乱剤の使用を抑えられる
→分散させるためのオイルの使用を減らせる
→油分が減り、刺激を抑え、使用感をアップできる
この究極バランスを実現させたものが、モイスチャーマトリックスUVです!
▶モイスチャーマトリックスUVに西川からの挑戦状①
紫外線吸収剤が入ったカプセルって本当に大丈夫?
製品にSPF値が書いてないんですけど?
▶モイスチャーマトリックスUVに西川からの挑戦状②
塗り直すのが面倒くさいんですけど
日焼け止めなのに乾燥しないのはおかしい!
ナノ化問題は大丈夫なんですか?
#改良版ではノンナノの紫外線吸収剤を使用しています
においの正体
今回も「原料臭がする」というお声を頂きました。
通常、化粧品の「原料臭」は、香料で打ち消すような処方になりますが、香料はお肌にとっては無駄な成分です。
もちろん、スキンケアは香りも大切ですし、刺激の低い香料を選べば、大抵の方には問題ありません。
しかし、ごく少数のお肌の大変弱いお客様が、その香料が原因で使えない、ということになって欲しくないので、申し訳ございませんが、香料で打ち消す予定はございません。
これからも、基本的には「お肌に優しい」を優先させつつ、しかし、皆様のご意見に常に耳を傾け、できる限りの工夫をして参ります。
UVの上はリキッドやクリームの重ね塗りはNG?粉モノと好相性
こんなご質問を頂いておりました。
モイスチャーマトリックスUVは、もちろん下地としても使って頂くことができ、その上にファンデーションを塗って頂けます。
ただ、UVの上に、リキッド系のファンデーションを重ねると、モロモロも出やすいようで、モニター様からもこんなご意見が。
日常の軽めのメイク下地にはぴったりですね!
ヒト型天然セラミドを導入しています
今回、天然由来のヒト型セラミドを配合しました。
ヒトのセラミドと同じ構造をしており(セラミド3と6Ⅱ)、脂肪酸の炭素数が22以上と長く(長い方がバリア機能が高い)、効果的なバリア機能の修復が期待できます。
マニアックな詳細はこちらの記事をご覧ください!
今後の課題
課題は、散乱剤の分散性を高めることによる、SPF効果や塗り心地、仕上がりのアップと、モロモロの発生等を抑えること。
もちろん、価格が上がってしまうようでは皆様のご負担になりますので、その点は、社長!よろしくお願いしますよ!
また、皆様からの丁寧なメッセ―ジを3人で拝読する中で、敏感肌の方がスキンケア(保湿)もUVケアも安心してできるというコンセプトを再確認しました。また、使用方法のご提案など、商品としての方向性をしっかり打ち出すことも必要だと感じました。
それだけ揃っていれば充分なので、他の肌に負担になるような要素がないところがいいなと思っています。
モイスチャーマトリックスUVとしての価値を揺るがすことのないよう、しかしさらなる向上を目指します!
社長のコダワリが実を結ぶまでしばらくかかりそうですが、更に改良されたモイスチャーマトリックスUVをお試し頂きたいと思っております。
開発モニターの皆様には、引き続きご協力頂けるようお願い申し上げます。
今回もモニターへの真摯なご協力をありがとうございました!