新商品開発クラブ

CCマトリックス(CCクリーム)改善策検討会議

CCクリーム(試作品名:CCマトリックス#11)のアンケート結果公開後、
高岡、中村、そして私西川が、改善策検討ミーティングを開きましたので、
その様子をご報告させて頂きたいと存じます。

・塗りムラや毛穴落ちは「シリコーンオイル」で優しさを維持したまま解決
・モロモロは「シリコーンエラストマー」で解決
・明るさと透明感は顔料やシリカで調整
・カバー力をどこまでどう持たせるか?

塗りムラや毛穴落ちは「シリコーンオイル」で肌に優しく解決

西川:「塗りムラ」というのは、一つのキーワードでしたね。

高岡:一般的なCCクリームと比べて、
配合している油分の種類や配合量が違うからだと思います。
今回のCCマトリックスでは油分を少なくしていますし、
使用している油分も軽いものを使ったので、
塗ってすぐに油分がとんだり、他の美容成分が浸透したりして
塗りムラになりやすかったのだと思います。

西川:ムラが出来てしまうのはちょっと・・・

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高岡:その解決策として一般的なのが、植物オイルなどの少し重たい油分を増やして
すべりや伸びをよくすることですね。

中村:しかし、お客様の中には脂漏性皮膚炎や油分が合わない方も多くいらっしゃるので、
油分が多いとCCクリームを使えないお客様が増えてしまいます。

高岡:それでは、「シリコーン」を使ったらよいかもしれません
「シリコーン」は伸びもよくなってムラや毛穴落ちを防ぎ、仕上がりの改善が期待できます。

西川:シリコンですか?ラップで覆って肌が息苦しくなりそうなイメージです。

高岡:西川君は勉強不足!それは間違った知識です。
シリコーンオイルは普通の油と違って、酸素を透過します。
酸素透過性のコンタクトレンズがあると思いますが、
実はシリコーンが使われているから酸素が透過するのんですよ。

西川:しっ、知りませんでした。

高岡:ニキビの原因とされる「アクネ菌」は、酸素を嫌う菌ですから、
酸素を通さない皮膜ができると、増殖してニキビが悪化します。
シリコーンオイルは酸素を透過するので、アクネ菌の増殖を防ぐことができます。

さらに、シリコーンオイルは酸化・分解されにくい安定した性質を持つので、
オイルが酸化して脂漏性皮膚炎の原因になったり、
アアクネ菌がオイルを食べて活性化してニキビが増える、
ということが起こりにくいのです。

西川:ではシリコーンオイルをバンバン入れて。。。。

高岡:西川君、先走り過ぎです。落ちにくいというデメリットもあるんです。
クレンジングを強くすれば、結果として肌に刺激になってしまいます。

そこは、シェルシュールのクレンジングJで落ちるかという基準で考え、
「本当に肌に優しいのに、仕上がりもキレイ、しかもちゃんと落ちる」
を、開発モニターの皆様に確認して頂きながら開発したいと思います。

モロモロは「シリコーンエラストマー」で解決

西川:「モロモロしたものが出て来る」という声も沢山頂きました。

高岡:今回の試作品には粘度を調整するために水溶性の高分子を配合しているのですが、
おそらくその高分子がモロモロの原因になっている可能性があります。
「シリコーンエラストマー」を使うことで粘度をだすことができるので、
水溶性の高分子を減らすことができ、モロモロもでにくくなると考えています。

西川:粘度について鋭いご指摘を下さった方もいらっしゃいましたね。
開発モニターの皆様は、本当に頼もしいですね!

なんだか次の試作品が楽しみになって来ました!

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明るさと透明感は顔料やシリカで調整

西川:少し白いというご意見もありましたね。

高岡:そうですね、白みは少しだけ下げてみようかと思います。
そういった「顔料」を減らすことで、透明感というものも少し出て来るんですよ。

西川:透明感が欲しいというお声もありましたし、それは楽しみです。

高岡:また、前作で毛穴落ちの原因と思っていたシリカを減らしたのですが、
関係なさそうなので、次回は増やしてみたいと思います。
これで透明度やツヤが増し、美しさをアップしてくれると思います。

カバー力をどこまでどう持たせるか?

西川:やはり「カバー力」を求めるご意見も多かったですね。

中村:カバー力がなければ、モイスチャーマトリックスUVとの違いがぼやけて来ますし、
かといって、カバー力を上げると透明感や素肌感が少なくなります・・・。

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西川:中村さん、鋭い!厳しい!
「赤み」のカバーなんて、どうでしょうか。

中村:顔料を増やしてカバー力を上げるのではなく、
顔料の色を黄色や緑色、ラベンダー色などに近づけることでも
赤みを見えにくくすることができますね。

高岡:そうですね、最初から申し上げている通り、
カバー力を出すことは難しいところですが、
テクスチャー塗り心地を見つつ、あくまで「肌に優しい」を維持した上で、
どこまで仕上がりの美しさに迫れるか、頑張ってみたいと思います。

西川:こうなったら、何色か展開して頂くという形で(笑)

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*これはあくまでイメージ図です。多色展開はかなり先になるでしょう・・。

西川:次の試作品#12はいつ頃になるんでしょうか。。。

高岡:実はこれら諸問題の解決に結びつきそうな原料をいろいろとオーダーしてますので、
到着を待つだけなんですが。。。なかなか目処が立たない状況です。

中村・西川:おーっ、楽しみにしてます!!!

 


 

高岡のコメント(こちら)にもありましたが
「社内だけではなかなかこのような改善点をきちんと把握できなかった」
のです。

皆様のご意見に基づき、改善の方向性が決まり、
開発モニターの皆様には本当に感謝しております。
今回の記事内で取り上げることが出来なかったご意見についても、
きちんと拝読し、対応の可否や可能性を検討しております。

次回の試作品にご期待下さいませ!
(社長にプレッシャーが。。。)

 

また、アンケートに書き忘れたことや、その他ご意見やご質問などがあれば、
いつでもお気軽にコメントください!

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